ジェンダーとは?
今までに、「女の子だから」「男の子だから」と言われたことはありませんか?
女性は〇〇であるべき、男性は□□であるべき、といった私たちが無意識のうちに持っている男女の役割の違い、社会的・文化的に形成された性別を「ジェンダー」といいます。
世界には、ジェンダーによる差別や不平等による問題が多く残されています。女性の社会進出や男性による家事育児は当たり前の社会となりました。しかし、現代でも”女性は男性よりも能力が劣るため与えられる役割が決められている”という価値観を持っている人が少なくありません。
各国における男女格差を測るジェンダーギャップ指数
世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)が2021年3月、「The Global Gender Gap Report 2021」を公表し、各国における男女格差を測るジェンダーギャップ指数(Gender Gap Index:GGI)を発表しました。この指数は、「経済」「政治」「教育」「健康」の4つの分野のデータから作成され、0が完全不平等、1が完全平等を示しています。
2021年の日本の総合スコアは0.656、順位は156か国中120位と、先進国の中で最低レベル、アジア諸国の中で韓国や中国、ASEAN諸国より低い結果となりました。
日本のスコアを分野別にみると、以下の通りです。
・健康0.979点
・教育0.983点
・政治0.049点
・経済0.598点
「経済」の順位は156か国中117位、「政治」の順位は156か国中147位となっています。日本は「健康」「教育」の分野では高スコアであるのに対して「政治」「経済」の分野で世界に遅れをとっているのが特徴です。
教育過程では格差なく男女同じように過ごしてきたのにも関わらず、社会に出た途端ギャップが生じていることが分かります。
内閣府の参考資料によると、30歳以上の女性は非正規雇用が中心と報告されています。これは、正規雇用で働く女性が出産・育児のため離職または仕事をセーブするケースが多い現状もあり、依然として課題が残っています。女性自身が働き続ける意欲を持ち続けること、社会全体において、女性の就業継続とワーク・ライフ・バランスの確立をより一層図っていく必要があるとされています。政治分野においても衆議院議員に占める女性の割合は9.9%で、世界191か国中165位となっています。
女性にも政治や世の中の仕組みを変える力は持っているはず。今回は周囲の価値観を変えてきた働くかっこいい女性が登場する映画作品もご紹介しますので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
身体的な性別にとらわれないLGBTQ
「LGBTQ」とは、レズビアン(女性同性愛者)ゲイ(男性同性愛者)バイセクシュアル(両性愛者)トランスジェンダー(心と体の性が一致していない方)に加えて、自分の性がわからないという「クエスチョニング」と性的少数者を表す「クィア」のQを加えた、セクシュアルマイノリティ全般を表す言葉です。LGBTQの人たちは、さまざまなシーンで差別を受けやすい立場にあります。日本では同性同士の結婚が認められておらず、職場や学校においても理解が低い(差別禁止法が無い)ことで、生きにくさ・不平等な経験をしている人がいます。近年は身体的な性別にとらわれない新しい性の考え方として、誰一人として取り残さない世界のためにLGBTQの人たちの存在を社会として受け入れることが大切になっています。
まずは多様な性について知ることから
誰もが自分らしく生きることのできる社会をみんなで作るために、何ができるでしょうか?
法務省の人権擁護局では私たちにできることとして、第1ステップは「多様な性について知る」、第2ステップとして「習慣・常識を変える」、第3ステップとして「理解者を増やす」ことを示しています。一人でも気持ちを受け止めてくれる人・理解者がいることで、当事者は居場所を感じ前向きな気持ちになれます。たとえカミングアウトされていなくても、普段から性に関する差別的な発言・ハラスメントがないかを見直し、考え直していくことが大切です。
それでは、本題のジェンダーについて考えるキッカケになる映画をご紹介していきたいと思います。
Hidden Figures(2016年/アメリカ)
ドリーム
【監督】
セオドア・メルフィ
人種差別が色濃い1960年代にNASAのプロジェクトに貢献した3人の黒人系女性スタッフの物語を描いたドラマ。NASA職員でありながら黒人・女性というだけで不当な扱いを受けていた女性たちが様々な困難を乗り越えていく実話を感動的に描く。
The Iron Lady (2012年/アメリカ)
マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙
(C)2011 Pathe Productions Limited , Channel Four Television Corporation and The British Film Institute.
【監督】
フィリダ・ロイド
イギリス史上初の女性首相で、その強硬な性格と政治方針から「鉄の女」と呼ばれたマーガレット・サッチャーの半生。1979年にイギリス初の女性首相となったマーガレット。そんな彼女にも妻や母としての顔があり、知られざる孤独と苦悩があった。 (引用:映画.com)
Any Day Now (2014年/アメリカ)
チョコレートドーナツ
【監督】
トラビス・ファイン
同性愛に対して差別と偏見が強く根付いていた1970年代のアメリカでの実話をもとに、育児放棄された子どもと家族のように暮らすゲイカップルの愛情を描き、トライベッカやシアトル、サンダンスほか、全米各地の映画祭で観客賞を多数受賞したドラマ。 (引用:映画.com)
The Danish Girl (2015年/イギリス)
リリーのすべて
【監督】
トム・フーパー
世界初の性別適合手術を受けたデンマーク人画家リリー・エルベと、その妻ゲルダとの愛を描いた伝記ドラマ。メガホンを取るのは、第83回アカデミー賞の4部門で受賞した『英国王のスピーチ』などのトム・フーパー。 (引用:Yahoo!映画)
それぞれの個性や資質に合った生き方を
男性だから・女性だからと無意識のうちに決めつけている役割やルールはありませんか?世界では、性別によって辛い立場に置かれている人がいます。特に途上国の女の子や女性たちは女の子・女性であることで社会の底辺に置かれ、普通の生活を送ることすら困難な状況にいます。そういった人たちを支援したり、力をつけることを後押ししたりする社会であることが求められます。
SDGs目標5では、性別に関係なく、すべての人が平等に権利を与えられる為に、持てる能力を最大限に活かし、発揮できる社会を目指しています。ジェンダーによる不平等・差別をなくすために何ができるでしょうか?
今回ご紹介した映画はすべて事実に基づいた話です。自分らしく生きようとする人のそばには、いつの時代も固定概念にとらわれない理解者がいました。社会の慣習によって個人の可能性を制限するのではなく、誰もが尊重される社会にするために。ぜひあなたもそんな変化の第一歩を踏み出してみませんか?
ジェンダーに関するSDGs目標
ジェンダー平等を実現しよう
平和と公正をすべての人に
パートナーシップで目標を達成しよう
四宮真梨恵
Marie Shinomiya
パーソナルカラー:サマー(夏)
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【WATASHINO SDGs】 映画で学べるSDGs第2弾は「SDGsの目標:5 ジェンダー平等を実現しよう」への理解を深める作品に注目していきたいと思います。
※第1弾の環境編はこちらから↓
【WATASHINO SDGs】 映画で学べるSDGs ジェンダーから環境問題までテーマ別にご紹介 ~環境編~