成田山新勝寺
NARITASAN SHINSHOJI TEMPLE
成田山新勝寺の起源は、平安時代中期、朱雀天皇が東国で起こった平将門の乱を平定するため、寛朝大僧正に下総国で祈願の命令を下したことから始まり、西暦940年開山と長い歴史があります。御本尊は不動明王であり、ご利益を求めて、1000年以上もの歴史の中、源頼朝、水戸光圀、二宮尊徳、そして市川團十郎といった多くの著名人も成田山を信仰してきました。
成田山新勝寺が現代に至るまで人気になった要因として、江戸で人気を博した歌舞伎役者 初代市川團十郎のこんな話があります。初代團十郎は子宝に恵まれず、父祖以来信仰している成田山で祈願したところ、待望の長男を授かりました。初代團十郎は大変喜んで、成田不動尊にまつわる「成田山分身不動」という歌舞伎を上演したところ、芝居は大当たり。これを機に「成田屋」の屋号を使うようになったそうです。團十郎の活躍により、成田不動は多くの人々に知れ渡り、江戸庶民の間で成田山参詣が広まったと言われています。
総門と奥に続く仁王門
大本堂
成田山新勝寺を訪れて最初に目にするのが「総門」です。こちらの門は総欅造りで高さは15m、楼上に8体の生まれ歳守り本尊が奉安されています。総門をくぐり進むと、続いて階段を上った先に「仁王門」があります。左右には江戸時代に建立されて以来、成田山の門を守ってきた歴史ある仁王像があります。
仁王門をまっすぐ進むと、成田山新勝寺の中心である「大本堂」がお目見えします。大本堂には本尊不動明王像が安置されています。大本堂の手前にある香閣から出る煙は、体の痛い部分や、具合の悪い箇所にあてると良くなると言われています。
ちなみに節分の時期に大本堂前のスペースで行われる節分会の行事は、有名人が豆まきをしている姿がテレビで報道されるので、馴染みの方も多いのではないでしょうか。
額堂
成田山公園
大本堂を参拝した後は、境内のほかの箇所もぜひ参拝してみてください。境内の最も奥にそびえる1984(昭和59)年建立の「平和の大塔」は、総高58mで、真言密教の教えを象徴する塔です。また、1858(安政5)年に建立された重要文化財「釈迦堂」は、かつての本堂で、現在は厄除けの祈祷場となっています。
写真の「額堂」は、1861(文久元)年に建立された重要文化財で、1986(昭和61)年に修復されました。江戸時代に奉納された貴重な絵馬や、様々なモチーフの彫刻は、目を見張るものがあります。
境内の東側一帯に広がる「成田山公園」は、16万5000平方メートル、東京ドームおよそ3.5個分もの広さを誇る池を中心とした大公園です。ここでは、秋に紅葉まつりが開催されるなど四季の様々な表情を楽しむことができます。
すべて見てまわるのには時間もかかるので、時間に余裕がない方は事前に参拝したい場所を決めておくことをオススメします。
大本山成田山新勝寺
千葉県成田市成田1番地
Tel 0476-22-2111
開門時間:終日(受付時間/8:00~16:00) ※境内は24時間開放
料金:無料(霊光館、書道美術館は有料)
休日:年中無休
[車]東関東自動車道成田ICから10分
[電車]京成電鉄 京成成田駅より徒歩10分
[電車]JR 成田駅より徒歩10分
菊屋
KIKUYA
成田山の名物と言えば「うなぎ」。参詣客へのおもてなし料理として江戸時代から提供されているそうで、成田山参道沿いには、「秘伝のタレ」を代々受け継ぐ老舗の料理店など現在でも約60店がうなぎ料理をメニューに取り入れています。
その中で今回は、江戸時代から約280年続く名店で、国産うなぎが味わえる老舗「日本料理 菊屋」でランチをすることに。ちなみに、あのスピルバーグやトムクルーズも菊屋のうなぎを食べたそうですよ。
お店には10:30頃入ったので、まだお客さんも少なく1階奥の席に通されました。宮家の紋を使うことを許された歴史のある菊屋の店内は、昔ながらの造りで落ち着いた雰囲気。さっそく数量限定の「国産鰻重」を注文。菊屋では、産地証明書付きのうなぎを日々仕入れていて、毎日店頭に産地証明書を提示しているので安心感があります。
10分ほどで注文した鰻重が出てきました。ふたを開けると丁寧に焼き上げたうなぎの香ばしい香りと、伝統のじっくり煮詰め仕上げたツヤのあるタレの甘い匂いが広がります。ご飯は見た目少なく見えますが、しっかりと入っていてボリュームもあります。
うなぎは、口入れると皮のぱりっとした食感と身のふわっとした食感が絶妙。タレもさらっとしていて甘すぎず、サッパリとしていて食べやすいです。ちなみにテーブルにタレが置いてあるので、自分の好みで足すことができるのもいいですね。肝吸も落ち着いた味で、あっさりとしているので鰻重とのバランスが良かったです。
日本料理 菊屋
千葉県成田市仲町385
Tel 0476-22-0236
営業時間:10:00~21:00(ラストオーダー20:00)
休日:年中無休
JR 成田駅より徒歩8分
京成電鉄 京成成田駅より徒歩10分
表参道
OMOTESANDO
成田山新勝寺の総門から成田駅前まで約800m続く表参道。江戸時代から門前町として栄え、今でも当時の名残をとどめています。参道沿いには150店以上の飲食店や土産店が立ち並んでいて、参詣客や観光客で賑わっています。
表参道の入口である「成田駅前/花崎町界隈」は、日本の伝統と国際色が融合するエリア。駅前には歌舞伎役者の像が建つモニュメントがあり、日本の伝統文化を感じられる一方、外国人旅行者や航空会社のクルーが集うレストランが数多くあり、異国情緒が共存しているのが魅力です。
続く「上町界隈」は、100年以上続く老舗の名店が並ぶ日本文化を感じられる整然とした街並みが魅力です。道の両脇には可愛らしい十二支の石像が置かれているので、のんびり散歩をしながら自分の干支を探すのもいいですね。またこのエリアには、羊羹やお団子、チーズケーキなど成田山みやげの定番として知られる和洋スイーツの名店も多いですよ。
そして、成田詣での旅人を迎え入れる街として、旅館がもっとも賑わいを見せていた江戸時代を彷彿とさせるのが、「仲町・幸町界隈」です。昔ながらの街並みが残るこの参道は、店頭でうなぎをさばく光景が見れるなど、多くの参拝客が行き交う活気にあふれたエリアです。
表参道の終着点は、成田山と門前町をつなぐ、新勝寺の総門がそびえる「本町・田町界隈」。総門前には門前広場があり、参詣客の憩いの場となっています。
三芳家
MIYOSHIYA
仲町・幸町界隈の参道を散歩中に、素敵な隠れ家的お茶処「三芳家」を発見。ここのお店、新勝寺から成田駅方面に坂を上っているときには気づかなかったのですが、新勝寺方面に帰る際に見つけたお店です。うなぎの名店「川豊本店」の少し手前の細い路地を石畳に沿って進むとお店があります。
細い路地を抜けると、心落ち着く庭園が広がっています。人通りが多く賑やかな参道のすぐ傍に、こんな和みの空間があるなんて。
この日は陽射しが強く歩いて暑かったので、あんみつと冷抹茶(お菓子付)を注文しました。待っている間は、奥の竹林や緑の木々を眺めたり、小さな滝から水が流れているので、せせらぎを聴いたりと、のんびりできて癒されます。
そうしている間にあんみつが到着。疲れた体にやさしいあんこの甘さが染み渡ります。添えられた漬け物をときどき食べれば、甘味をさらに感じられます。続いて冷抹茶。下に抹茶が沈んでいるのでよくかき混ぜてからいただきます。ほどよい抹茶の苦みが口の中をサッパリとしてくれます。ちなみにこの時のお菓子は黒ゴマプリンで、こちらも美味でした。
メニューにはかき氷もあるので、次回来たときは、ほかのメニューにも挑戦してみたいと思いました。成田参り時の休憩でぜひまた立ち寄りたい、オススメめのお店です。
三芳家
千葉県成田市仲町386-2
Tel 0476-22-2147
営業時間:10:00~17:00
定休日:毎週水曜日
JR 成田駅より徒歩9分
京成電鉄 京成成田駅より徒歩10分
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今回の散歩道は、成田国際空港や成田山新勝寺があることで有名な千葉県成田市。都内から電車で1時間ほどとアクセスも良く、ふだんはそれほど混んでいないので、日帰り観光がてらゆっくり散歩するのにおススメです。実際にスタッフが散歩したルートをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。